タイでのタブーをビジネスシーンを中心にまとめてみました。

その1 頭と足に関すること

タイでは、「頭は聖なる部分」、「足は不浄な部分」と認識されています。神聖な、人の「頭」に手が当たってしまったりしないよう気を付けましょう。

座った時に、組んだ「足」先が人の方に向いてしまうのはよくありません。床に座る時は、正座か横座り(お姉さん座り)をしましょう。足を投げ出して座ったり、体育座りをすると、足先が「向かい合った人」(お寺の場合では僧侶や仏像)に向いてしまうのでよくありません。車の中で足を上げることもよくありません。

親愛の印として、ビジネスパートナーから僧侶のペンダントお守りなどをもらうことがあるかもしれません。それを鞄にしまって、その鞄を床(足元)に置くことはよくありません。胸ポケットにしまったり、机の上に置くのはOKです。

その2 大声で叱る、人前で叱る

柔和であることを徳とする仏教観が浸透しているタイでは、怒りにまかせて声を荒げることはよくありません。修行の足りない人だと軽蔑されてしまいます。

部下のミスを、他の人がいる前で叱ることもよくありません。タイ人は日本人よりも個を尊重する意識が強いので、他人のことはあまり干渉しないし(気遣いはしますが)、大人になった人を叱るということもあまりありません。もともと叱られ慣れていない人が、大勢の前でミスを指摘されるというのはとてもショックなことです。

「個別に呼び出してくれればまだ良かったのに」と、配慮のないあなたに心を閉ざしたり、逆恨みされることもあるので注意が必要です。

その3 王室の話題

食事の場などで話題に詰まると、「現国王の評判はいかがですか?」などと聞いてしまいたくなるかもしれません。が、タイでは「不敬罪」が残っていることもあり、公共の場で王室を話題にすることは不適切です。向こうから話してくる場合はこの限りではありませんが、こちらから王室の話題を振るのは避けた方がベターです。

その4 宗教ネタ

信仰に関するまじめな話をする分には構わないのですが、宗教をネタに面白いことを言おうとすると、タイ人を不快にさせてしまう場合があります。例えば、会食の席で「ブッダの骨はクリスタルに変性したのだ」と真剣に語ったタイ人に対して、「栄養が足りなくて透け透けだったんじゃないか」と答えた方がいました。残念ながらその後、その方はやんわりと絶縁されてしまいました。

宗教に敬意を表すのは当然と皆さん理解されているとは思いますが、「同じ仏教徒だから~」という安心感から気が緩んでしまうこともあります。お酒の席では特に、要注意です。

その5 自虐ネタ

食事の場を盛り上げる為に、「私、社長なんですが社員からじいちゃんて呼ばれてます」、「もうすぐ退官する大学教授ですが、家族から邪見に扱われています」等の自虐ネタを披露したくなることがあるかもしれません。が、日本以上に上下関係の秩序がはっきりしているタイでは、地位の高い方、年齢の高い方が自虐ネタを披露するということはないので、聞き手は反応に困ってしまいます。

笑いを取るどころか空気を凍らせてしまう可能性もあるので、社会的地位のある方は、お気をつけください。

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